写真

自己啓発

解決策にフォーカスする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

photo by Victor Bezrukov

2019.3.15
From ブライアン・トレーシー

ひとつの問題や判断にフォーカスする能力は、成功するためにはぜひ身につけたいものです。電球1個を点灯できる程度の電力でも、しかるべくフォーカスしてレーザービーム化すれば、鋼鉄を切断するほどの威力があるからです。

同じように、ひとつの問題の解決やひとつのゴールの達成に自分の全神経をフォーカスすれば、思考がまるでレーザービームのように研ぎ澄まされ、行く手に立ちふさがるどんな障害でも切り開けるようになります。

いくつかの正しい質問を、繰り返し自分に問うことで、問題解決能力を劇的にアップすることができます。私は何年か前、IBMの社員向けの問題解決・意思決定セミナーを開いたことがありますが、セミナーではいつも、参加者に次の一連の問いかけをしてもらうことにしていました。

まずは第1の質問。「いま、あなたが直面している最大の問題は何か?」

そもそも何が問題なのかがはっきりしていないのが、問題解決の最大の障害だからです。

では第2の質問。「その問題は本当に『問題』なのか? もしかすると『チャンス』ということはないか?」

ビジネス界でも科学界でも、画期的な発見はたいてい、製品やサービスや実験が大コケしたことがきっかけで生まれるからです。

大失敗したおかげで新たなデータが得られた、あるいは、当初予定していたのとはまったく違う行動をとることを余儀なくされた。そして方向転換した先に、思いがけない成功が開けたというわけです。

世紀の大発見

2写真

photo by xvire1969

20世紀の偉大な業績のひとつに、英国の細菌学者アレクサンダー・フレミングによるペニシリンの発見があります。これも、実験の失敗がきっかけでした。

1928年のこと。フレミングは、ペトリ皿の寒天培地に細菌を加えておいて昼食に出かけます。戻ってきてみると、細菌が全滅していたのでがっかりしました。凡庸な研究者なら、ダメになった寒天培地を捨ててやり直すところですが、フレミングはこう思います。「細菌をあっという間に全滅させるなんて、いったいどんな強力な成分なんだ?」

調べてみると、実験室の別の場所で別の実験に使っていた芽胞に蓋をしていなかったせいで、芽胞が大気中を飛んでペトリ皿の細菌の上に舞い降りたことがわかったのです。この芽胞はのちに単離され、ペニシリンと命名されました。当時としては最強の抗生物質です。発見から10年後に始まった第2次世界大戦では、ペニシリンのおかげで何百万という命が病気や感染から救われたのです。

フレミングはペニシリンを発見した功績により、英国王の手でナイトに叙せられ、ノーベル生理学・医学賞を受賞し、大金持ちになり、偉大な医学者として英国史に名を残しました。

問題の定義を広げよう

何が問題かがはっきりしたら、自分で自分に魔法の質問をしてみましょう。「ほかに問題はあるか?」。ひととおりの問題設定しかできない場合は要注意です。何通りもの問題設定を試みた方が、正しい問題設定に到達しやすく、ということは正しい解決策にも到達しやすくなるのです。じっくり時間をかけましょう。

次の質問は「この問題に対するベストな解決策は何か?」

ベストな解決策を見定めたらさらに、「ほかにどういう解決策があるだろうか?」と考えるのです。この場合も、解決策をひとつしか思いつかない場合は要注意です。何度でもしつこく問いつづけましょう。

「ほかにどういう解決策があるだろうか?」

あらゆる可能性を考え抜くことなく拙速に結論にとびつき、判断を下してしまっては問題解決は望めません。判断を下す前にできるだけ多くの解決策――何も手を打たずにいることも含めて――を考案した方が、理想の解決策にたどり着ける可能性も高くなります。どうやら、思いついた問題設定や解決策の「量」と、最終的に落ち着く解決策の「質」は比例するようです。

関連する記事