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自己啓発

「自己想起」というメンタルエクササイズ

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photo by Jonathan Kos-Read

2019.6.28
From ブライアン・トレーシー

ロシアの神秘思想家ピョートル・ウスペンスキーが提唱した、「自己想起(self-remembering)」というメンタルエクササイズがあります。

目的は意識を集中し、自己認識を深めること。

ウスペンスキーによれば、人間の頭の中では何百、何千という思考が、まるで川のようにたえず滔々と流れているそうです。尽きることのない思考の流れに身を任せていると、一種の「覚醒睡眠」状態に陥り、周囲の環境を意識せずにほぼ機械的に行動することがあります。

車に乗りこんで職場へ出勤したが、途中の道のりについては何ひとつ記憶にないという経験は誰にでもあるでしょう。思考に没頭したまま、これまでに何度も何度も通ったルートをオートパイロット状態で運転していったからです。

何か予想外の事態、たとえば路面が凍結していたとか、もう少しで事故りそうになったとかが起きたときだけハッと目を覚まします。その瞬間は、自分自身や周囲の環境をはっきりと意識するものの、その瞬間が過ぎるが早いか、また覚醒睡眠状態に戻ります。

新約聖書に、キリストが「眠っている者よ、起きなさい」と呼びかけるくだりがあります。もっとよく考えなさい、私の言葉の意味にもっと注意を払いなさいという意味で、人がよくやるように情報にオートパイロット的に反応してはいけない、という戒めです。

マインドフルネスと自己想起を体験するのは簡単です。「私はいま、ここにいる」と言うだけでいい。

言いながらまわりを見回してみましょう。生まれて初めて見る世界を見回すように見回してみるのです。まわりのものひとつひとつを細かく観察してみましょう。目の見えない人や電話の向こうにいる人で、あなたのいる世界を見たことも体験したこともない人を相手に、自分の世界を説明するつもりになってみましょう。

これをやると、かつてないほどまわりの世界が明瞭に見え、鮮明に認識できるようになるはずです。

日常生活の中でマインドフルネスを実践しよう

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photo by Jonathan Kos-Read

たいていの人は、何も考えずにそそくさと食事をし、食べている物にもまわりにもろくに注意を払いません。ですが、食事だってその気になればマインドフルネス体験に転化できるのです。

食べるペースを落とし、食事にまつわる細かいことや室内の特徴を観察してみるといいでしょう。周囲の環境を意識して、テーブルセッティングを観察してみましょう。皿とかカトラリーとかグラスとか。

ゆっくり、考えながら、意識して咀嚼してみましょう。時間をかけて食べ物をよく噛みしめ、いろんな味を味わい、一口一口を楽しみましょう。食べ物の匂いや風味を意識して、これを食べるのは今回が初めて、あるいは最後だと思って味わってみるのです。

普段やっていることをペースダウンし、行動しながら自分自身を観察するだけで、マインドフルネスのレベルがぐんとアップします。たとえば歩くペースを落とすだけでも、すぐさま自分の動作を意識するようになります。自己想起レベルが向上するのです。自分自身やまわりの世界をもっと鮮明に意識するようになります。そして「私はいま、ここにいる」と実感するようになります。

皿洗いでも、歯磨きでも、新聞のページをめくるのでも大丈夫です。ペースを落とすだけで、すぐさま自分の行動をより意識するようになり、周囲の環境に対してもより敏感になるのです。

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