私たちは最高の時代に生きています。多種多様な活動にチャレンジし、多種多様なゴールを達成するチャンスが、いまほど豊富な時代は、歴史上に例がありません。
健康状態も向上し、寿命もかつてないほど伸びています。医療とヘルスケアが進歩した結果、80歳とか90歳、あげくは100歳まで生きる人も少なくありません。昔なら考えられなかったことです。
しかし、成功や繁栄や長寿や幸福を達成するチャンスが、こんなに豊富なのにもかかわらず、あなたをはじめたいていの人は、「やることがありすぎて全然時間が足りない」と感じているのではないでしょうか。
自己啓発
人間にとって、何より貴重なスキルは?
2018.2.10
From ブライアン・トレーシー
情報やテクノロジーや競争が爆発的に成長・拡大した結果、ついていくのに苦労するほど変化のスピードが上がっています。
こういう時代だからこそ、人生を構成するさまざまな「時間」について、新たな視点から考えてみる必要があります。
何をやるにしてもベストな結果を出したいと思うなら、自分が関わる仕事や活動の種類に応じて、「時間」のとらえ方や活用のしかたを使い分けることが大切です。
自分が本当にやりたいことは何かを見定め、ゴールを設定しようとする場面と、優先順位を設定し、価値の高いタスクにフォーカスし、仕事をこなそうとする場面とでは、それぞれ別種の時間が必要になります。
仕事で人とコミュニケーションをとったり交渉したり、組織を運営したりする場面と、自宅で家族や大切な人と過ごす場面とでも、それぞれ別種の時間が必要になります。
別種の時間どうしは、ちょうど水と油のようなもので、うまく混ざりません。
場面に応じて、さまざまな「時間」を使い分けないと、イライラや失敗や非効率を招くことになります。
人生のクオリティ
クオリティの高い人生を送れるかどうかは、かなりの部分、タイムマネジメントのクオリティによって決まります。
そしてタイムマネジメントは、実は自分マネジメントであり、自分の人生そのもののマネジメントでもあります。自分の時間をうまくコントロールできない人は、時間以外のこともうまくコントロールできません。
幸い、世界一の金持ちや成功者にとっても、一日はあなたと同じく24時間しかありません。成功者とそうでない人の最大の違いは、時間の使い方なのです。成功者が必ずしも人並み以上の潜在脳力やチャンスに恵まれているわけではありません。
ただ、時間の使い方が人より上手で効率的なおかげで、人並み以上の成果を上げているケースが多いのです。
人間にとって何より貴重なスキルは、「考える力」。
行動に出る前に考え、行動中にも考える力です。いいかえれば、重要なこととそれほど重要でないこととを選別する力といってもいいでしょう。
心理学者によれば、人の幸福度の最大の決め手は「自尊心」の高さ、つまり自分で自分をどの程度好きで尊敬できるかだといいます。
そして高い自尊心を支えるものは「自己効力感」、つまり「私には自分の人生をコントロールし、ゴールを達成し、やるべきことをやりとげ、まわりから期待される成果や自分で自分に期待する成果を上げる脳力がある」という認識なのです。
ビジネスパーソンの最大の資産は、「稼ぐ脳力」といっていいでしょう。つまり、人が報酬を払ってくれるような成果を上げる脳力。そして稼ぐ脳力の高さは、仕事時間をどう使うか、仕事の前後の時間をどう使うかによってほぼ決まります。
トーマス・エジソンがこう言っています。「考えることほどきつい仕事はない。考えるくらいなら死んだ方がましだという人が多いのはそのためだ」
ハイレベルのパフォーマンスを発揮できるかどうか、人生のあらゆる分野で高いクオリティを実現できるかどうかも、「時間」をどうとらえるか、自分の時間をどう使うかによってほぼ決まってしまいます。
ブライアン・トレーシー
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1944年カナダ・プリンスエドワード島出身。 |