米国のユーモア作家、ジョシュ・ビリングスのこういう言葉があります。
「人は何かを知ることによって傷つくのではない。真実ではないことを知ることによって傷つくのだ」
子どもの頃、先生や両親から口を酸っぱくして言われたものです。学校でいい成績をとらないと、あるいは高校を卒業しないと、あるいは大学へ行かないと出世できないよ、と。
私は、その言葉を疑いもしませんでした。高校をドロップアウトしたときは、これで一生、肉体労働で食べていくしかないと観念しました。その後何年かというもの、私は皿洗いや井戸掘りの仕事をし、製材所や工場で働き、車をねぐらにした時期もありました。
やがて、まわりに大勢いる成功者たちを眺めているのにもいいかげんうんざりした私は、成功と失敗についてのこれまでの思いこみに疑問を抱き始めました。そしてこう思うようになったのです。
「なぜ、この世には成功者とそうでない人がいるのか?」
自己啓発
成功はIQでは決まらない
2018.3.20
From ブライアン・トレーシー
by Dima Bushkov
そして意外なことを発見しました。高い教育や知能、いい成績、裕福な家柄、さらには生まれつきの才能でさえ、成功するかどうかとは大して関係がないということを。
どんな業界でも、頭がよくないと成功できないといわれます。ですが、詳しい調査によれば、成功者の多くはIQのスコアがずば抜けているわけでもなければ、学校時代に優等生だったわけでもないのです。平均以上の知能はもっているかもしれませんが、決して天才というわけではないのです。
成功に必要な頭のよさとは「行動スタイル」
専門家によれば、成功に必要な頭のよさとは、いい成績でもなければ高いIQスコアでもなく、「行動スタイル」だといいます。では、いったいどういうのが頭のいい行動スタイルなのか?
答えは簡単。
頭のいい行動とは、「実行することで自分の目指すゴールに近づくような行動」。反対に、目指すゴールに近づけないような行動は、頭の悪い行動なのです。
私が主催するセミナーで教えている、簡単なテクニックがあります。参加者全員の収入が倍増すること請け合いのテクニックです。
名づけて「ABメソッド」。
やり方はまず、自分の目の前のタスクや行動をすべて、タスクAとタスクBの2つに分類します。
タスクAは、実行することで目指すゴール、たとえば専門分野でさらなる成功をおさめるとか、収入アップするとか、家族や友達と過ごす時間を増やすとか、体調を万全にするなどのゴールに近づくような行動です。
これに対してタスクBは、実行してもゴールに近づけないどころか、悪くすると逆にゴールから遠ざかってしまうような行動です。
ここで、あなたの人生を一変させるルールをお教えしましょう。
タスクAだけをやること。
by VFS Digital Design
自分の人生や仕事を豊かにし充実させてくれるようなタスク、実行することでゴール達成やなりたい自分の実現に近づいていると実感できるタスクだけをやる習慣をつけましょう。
単純な戦略ですが、これを実践するだけで、何カ月後、何年後にはいまの2倍、3倍もの生産性やパフォーマンスや成果を上げられるようになります。
何よりいいのは、自分にとって大事なゴールを目指して努力していると、勝利感や、進歩しているという実感や、幸福感や充実感を味わえること。自尊心やプライドも高揚していくはずです。
それだけではありません。自分にとって重要なゴールを目指して努力し、みごと達成する人は、まわりからも尊敬され、高く評価され、あこがれの目で見られるようになります。そしてじき、組織にとって貴重な人材となるのです。
ブライアン・トレーシー
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1944年カナダ・プリンスエドワード島出身。 |