マジックナンバーをひとつ紹介しましょう。
アンダース・エリクソンによれば、トップ層は週5日、一日2時間をスキルアップにあてています。
1週間は168時間(24時間×7日)。
そのうち週平均10時間を自分に投資した人々は、順調に昇進していき、しかも昇進ペースは次第に速くなっていったのです。新たな知識やスキルを習得するにつれて、稼ぐ脳力、つまり結果を出す脳力もアップしていったからだと考えられます。
同僚が遊んだり、パーティーをしたり、テレビでスポーツ中継を見たりしているあいだも、高パフォーマーたちは週5日、一日2時間を自分に投資し、仕事力を磨きつづけているのです。
アルバート・アインシュタインの言葉に、「複利こそは宇宙最強のエネルギーだ」というのがあります。
スキルアップにも同じことがいえます。
エリクソンが調査したトップエグゼクティブたちは、社会人になって程なく、あることを発見しています。新たなスキルをマスターするたびに、それをすでにもっていた他のスキルと組み合わせることで、手持ちの知識・スキルのトータルな価値を複利計算式に増やせるということです。こうして彼らは自分の資産価値をどんどん高めていったのです。
私の長年の観察からいえるのは、たいていの人は新たなスキルをあとひとつマスターしさえすれば、収入がいまの倍になるということ。
重要スキルをあとひとつ習得しさえすれば、それと手持ちのスキルや経験とを組み合わせて自分のトータルな資産価値をアップし、会社にとっていまの倍も価値ある人材となり、いまの倍もの報酬を稼ぎ出せるはずです。
自己啓発
マジックナンバー
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2018.5.25
From ブライアン・トレーシー
経営者のつもりになろう
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どこの業界でもトップ3%層は、自分が関与する仕事全般について重い責任を引き受けています。その結果、経営者意識をもつようになり、まるで勤め先の会社のオーナーであるかのような態度をとるようになるのです。
ロバート・ライシュ元米労働長官は、どこかの会社を訪ねるとたちどころにその会社の社風を見抜けるといいます。社員が自社や自分たちの話をするときにどういう代名詞を使うかを聞けば、社風がわかるというのです。
トップ企業の社員は、「うちが」「我が社が」などと言います。会社が自分たちのものだという意識があり、それが態度にもあらわれるのです。会社に全面的にコミットしていて、社の業績についてすすんで責任を引き受けます。
業績のはかばかしくない企業の社員は、「あそこが」とか「会社が」などと言います。勤め先のことを自分とはかけ離れた存在、勤め口と給料小切手を提供してくれる存在としか思っていません。
現代の会社員の65%が、自分の仕事に無関心だといわれる理由もそこにあります。
こういう社員は日々、働いているふりをするだけで最小限の労力しか払わず、ネットで求人広告をチェックし、いまとは違う仕事をしている自分を夢見るのです。
「自分株式会社」の社長
そこへいくとトップ層は違います。
トップ層は、自分こそが自分のキャリアのCEOであり、社長だという認識でいます。「自分株式会社」の社長のつもりでいます。
アール・ナイチンゲールがこう言っています。
「最悪の過ちは、自分以外の誰かのために働いている気になることだ」
常に経営者のつもりでいましょう。あなたの給料小切手にサインするのが誰だろうと関係ありません。あなたの雇い主はどんなときもあなた自身なのです。
「自分」というサービスを売る企業の社長のつもりでいましょう。
社員はあなたひとり。競争の激しい市場で売りこむべき製品はただひとつ、あなた自身が提供するサービスというつもりで。
人生やキャリアにおいてどれだけ成功できるかは、キャリアライフを通じて自分がどれだけ価値あるサービスを提供できるか、会社にどれだけ貢献できるか、コンスタントに付加価値を生み出せるか否かによって決まるのです。
ブライアン・トレーシー
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1944年カナダ・プリンスエドワード島出身。 |