要因2: アポなしの客
第2の時間の無駄は、アポなしの客です。
前触れなしにやってくる客は、それが社内の人間でも社外の人間でも、はなはだしく時間の無駄です。アポなしの客は人のオフィスにふらりと立ち寄り、仕事を邪魔し、思考の流れを中断し、能率をぶち壊しにします。どうでもいい話を延々と続け、仕事に戻らせてくれないこともあります。
なんとしてもこの時間の無駄を回避するべく、アポなし客への対策を5つ挙げておきます。
2-1. 一日のうち一定の時間帯を、心を落ち着けて仕事に集中する時間と決めておこう。
この間は誰にも一切邪魔させない、電子機器の着信音はすべてオフにしておきます。ホテルにあるような「邪魔しないでください」のサインを買ってきて、机の上に置いておくのもいいかもしれません。サインが出ているあいだは、非常時でない限り誰にも、いかなる理由があっても邪魔されたくないとはっきり言っておきましょう。
2-2. 歓迎されざる客がオフィスへやってきたら、すぐさま立ち上がろう。
そして、ちょうど外出しようとしていたような風を装って歩き出しながら、「今日はやることが山ほどあって大忙しなんですよ」と言います。仕事中に電話がかかってきたときも同じです。「ちょうど外出するところだったんです。ちょっと急いでいまして」と言えば相手はまっすぐ用件に入ってくれるはずです。
2-3. 話を切り上げよう。
会話がいいかげん長引いたら、「お帰りになる前にあと1点だけいいですか」と言いましょう。そしてなんでもいいから思いつくことを口にして会話を切り上げ、仕事に戻るのです。
2-4. ミーティング時間を設定しよう。
アポなし客に有効に対処するには、両者にとって都合のいいミーティング時間を決めてしまうことです。同僚であっても、部下にもアポをとらせます。一日のうちいついつの時間帯だったら話ができるよ、と言っておくのです。
2-5. 人の時間を無駄にしない。
自分がアポなし客になってしまうのも可能な限り避けます。前触れなしに誰かのオフィスを訪ねたときは必ず、「いまお話しできますか、それともあとでお時間をとっていただけますか」と礼儀正しく切り出し、前もって許可を求めてください。人の時間を無駄にしておいて気づきもしない人が実に多いのには驚きます。
自分の能率を上げたいなら、まわりの人にも「私はあなたの時間を無駄にしていませんか?」と聞いてみることです。耳に痛い指摘が返ってくるのも覚悟して、何を言われても、言い訳や正当化はしないこと。素直に感謝し、口をはさまず耳を傾けましょう。