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Finish Strong! -最後まで全力を尽くす-

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photo by Jonathan Kos-Read

2019.6.11
From マックス桐島

最高の終わり方

「Finish Strong!」

日本語で言い換えると、「最後の力を振り絞って!」という表現は、仕事や人生において、スタートよりもフィニッシュの大切さを説いています。

スタミナ不足、アイデア枯渇、時間切れなどの悪条件の中でも、必死に食らいついて最終ステージを駆け抜ける大切さは、結果はともあれ、達成感と自己意識の高揚感を生み出してくれます。それこそが、長い目で見たら、最大の報酬といえる気がします。

自分が行う“すべての行動”に関して最高の終わり方をするには、相当の努力が必要です。でも、努力以上に必要なのが、「絶対に最後まで全力を尽くす」という態度だと思い知らされた出来事があります。

起死回生のプレゼン

2写真

photo by Financial Times photos


大手映画スタジオのプレゼンルーム。

机の向こう側には、百戦錬磨のスタジオ重役が数人並んで僕のプレゼン企画を吟味していました。開始から10分、企画のストーリー、登場人物、商業性や主演俳優の希望リストなどを詳細に説明する僕に、興味のなさそうな顔をした重役から厳しい質問が浴びせられました。

自分の態度や返答内容がタジタジになるのを全身で感じた僕は、重役が携帯に対応する隙をみて、トイレに行く許可をもらい、重たい空気のプレゼンルームを退室しました。

用を足しながら、まずい展開になっている展開に、「ボツだな、この企画……」と、弱音をつぶやきました。

打ちひしがれた自分の顔を鏡で見たとき、ハリウッドで初めての映画企画を実現させたときにベテランのプロデューサーに言われた言葉が脳裏をよぎりました。

「Finish strong, no matter what!」(どんなことがあっても、全力を尽くして終われ!)

天からの勇気をもらった気がした僕は、形勢逆転して映画製作契約をまとめた数年前の自分の態度を思い出していました。

「まだ部屋から追い出されていないじゃないか!」
「すでに10分以上プレゼンに耳を傾けてくれているじゃないか!」
好材料だけを心に刻むことに執心し、何があっても最後まで全力でアタックすることを肝に銘じました。

余談ですが、世界一過酷なプレゼンと呼ばれるハリウッド映画業界のそれは、最初の5分程度でスタジオ重役の興味を惹かない場合は、このようなお決まりのセリフで“門前払い”されてしまうのです。
「Don’t call us, we’ll call you」(連絡はしないでいい。こちらからしますので)

でも実は、このセリフを食らったが最後、先方からの連絡は来ないのです(涙)

プレゼンルームに戻った僕は、前半戦とは異なったエネルギーで企画の戦略ポイントやヒット性、商業性のメリットを滔々と述べ、最後に机の向こうの重役3人にこう言いました。

「Green light(ゴーサインに当たる緑色信号)をくれるまで帰らない、と言いたいところですが、Blinking yellow light(考慮しましょうを意味する、黄色点滅信号)をいただければ、今日のところは引き上げます」

偉そうオーラ無しの笑顔で発せられた僕の言葉に、全員が声を出して笑い、「やるじゃないの……」という無言の返事が感じられました。

実際に数週間後のアポ枠を与えられた僕は、準備周到にチャンスをものにして、企画の制作にこぎ着けたのです。まさに、「Finish strong!」を地でいく体験談でした。

結果は最後までわからない

それ以来、どんなに形勢や状況が悪くても、「とにかく最後まで全力で!」を座右の銘にした僕ですが、この金言を実行して夢を形にしたハリウッド人の多さに、後日ビックリしたものでした。

後半戦や9回裏の逆転は、「Finish strong」なしではあり得ませんし、出鼻をくじかれたり、立ち上がりで挫折した後に勝利をおさめたエピソードは、仕事や人生では珍しいことではありません。でも、それを思考だけではなく、自分がしているすべてのことに対する習慣として実践する人だけが、そのようなエピソードの持ち主となれるのだと思います。

Go4it!!

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