写真

言葉

思考は現実化する -MENTALITY CREATES REALITY-

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

photo by Keith Allison Blaine Gabbert, Anthony Lanier via photopin (license)
2018.6.12
From マックス桐島

再会

大ヒットした話題作『ソーシャル・ネットワーク』の題材にもなったFacebookのおかげで、80年代にハリウッド映画業界で一大ブームを巻き起こした、ある自己啓発セミナーに参加した際の旧友と、サイバースペースで再会しました。

「過去の経験の影響に囚われて物事や事象にReaction(反応)する生き方」から「自分発信の解決法や答えを模索してProactive(問題を見越して率先して行動を起こす)に現在を生きる」がテーマのそのセミナーは、僕も含めた多くのショービズ・ピープルの人生を大きくシフトするのに役立ちました。

そして、自分自身の触りたくない部分と直面するガチンコ勝負の三日間は、まさに“心の格闘技”ともいえる鮮烈なインパクトを残したのです。

オフ会ランチをすることになった思い出多きビバリーヒルズホテルのポロラウンジは、20数年前、初めてスタジオ作品の契約に合意した場所で、今も変わらぬ豪華さとハリウッドらしい伝統を兼ね備えたレストラン。そこに颯爽と現れたジャックは、大手スタジオの宣伝部の重役に出世した容姿こそ少々老けたものの、溌剌とした態度や選りすぐって発する言葉は、相変わらずでした。

起点は考え方

「『この映画、ヒットするかなぁ?』って思ったりする?」という僕の質問に、「僕は、そんな会話を自分としない」という答えで返したジャックは、ランチ中に数度その言葉を連発していました。

彼の口癖の真意は、自分と交わす会話の中身、自問自答の内容が、これから起きる現実を左右する、つまり「思考は現実化する」という信念を抱き続けているからなのだそうです。

「起こった現実に基づいて考え方を構築する人がほとんどだが、実は真逆に働くのが宇宙の真理」と爽やかな笑顔で話しながら、ハワイ産マグロのタルタルソース添えを頬張るジャック。

考え方や意識の持ち方次第で、現実に起こる結果が変わるという思想は、東洋的な精神修養の世界では古来から説かれてきた現象ながら、実際の生き様の中でそれを実行するのは至難の業に思えてしまいます。

それをジャックに言えば、その至難の業という考え方自体が奇跡を起こすエネルギーの歯止めになるのだと一喝されそう。そして、考え方の良し悪しを認識できない潜在能力は、マイナス発想もプラス発想と同様に現実化しようと試みるから、自分が考えることには十分留意したほうがいいよ! とも。

自問自答

フットボール狂の僕は、NFL選手のインタビューや試合態度の中にも、時折精神的な教えを垣間見ることがあります。最もフィジカルなスポーツと思われがちなNFLは、実はメンタルな部分が左右する競技。相手チームやヘッドコーチのメディアを介した挑発的な言葉、ベンチやファンからのヤジ、そして勝っている時、負けているときの心の持ち方や考え方など、試合中はもちろんのこと、ゲームタイムまでの駆け引きにも、Mentality(気の持ち方)こそが勝負のReality(現実)を決するといっても過言ではないのです。

ビッグマウス(大口たたき)として悪名高きニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチが、インタビュアーの質問にこう答えたのを聞いたことがあります。

「今度のゲームに勝つためには、どんなプレイを重要視しますか?」
「勝つため? 試合には勝つつもりでいつも臨みますよ。それが僕のメンタリティですし、そのメンタリティこそが我々チームの最大の武器ですから」

――なるほど、勝つのが当然というProactiveな信念が、勝利という現実を引き寄せるのだ、と感心した僕は、そのチームが見事に試合に勝利する姿を観て、ジャックがランチで話していたことの真髄を改めて感じたのでした。

そのセミナーで習得したもう一つの知恵は、「自分の囁きに耳を傾ける」こと。つまり、自問自答の中に潜む、自己意識や不安、本音や決意のレベルを正直に分析し、可能な限りプラス発想の自己会話に仕立て直すという作業を怠らないことを指します。

周囲には自信ありげな態度や言葉を虚勢で発することはできても、自分自身と同様の会話ができなければ、本当に自分が欲する結果は実現しないのだということを、旧友とのランチタイムのおかげで再認識した僕でした。Mentality rules!(気の持ち方次第でどうにでもなる!)

 

 

 

 

マックス桐島

人物紹介写真

ハリウッド映画プロデューサー
神奈川県出身。
ハリウッドで1990年以来、『Night of the Warrior (邦題「ナイト・ウォリアー」)』『Ulterior Motives (邦題「隠された動機」)』『Samurai Cowboy (邦題「ワイルド・ハート/遙かなる荒野へ」)』など13作品をプロデュース。また手掛けた作品は2001年度アカプルコ国際映画祭最優秀作品賞。2002年度ニューヨーク・インディペンデント映画ビデオ映画祭最優秀スリラー作品賞、主演男優賞などを受賞。著書に『NYビジネスマンはみんな日本人のマネをしている』(講談社プラスアルファ新書)など多数。
http://www.amazon.co.jp/-/e/B004LRJOSM

関連する記事