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本当の友だちは、酔った友人に運転させない-FRIENDS DON'T LET FRIENDS DRIVE DRUNK-

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photo by Moayad Hassan How to Photograph a Friend in the Street When You are not Very Well-Balanced? via photopin (license)
2018.8.21
From マックス桐島

ジャック・バウワー逮捕される

世界的人気ドラマとして一世を風靡した『24』の主人公ジャック・バウワーを演じたキーファー・サザーランドが、飲酒運転で逮捕され話題になったことがありました。

違法Uターンをしたのをパトカーに目撃され、お決まりの“風船テスト”や“真っ直ぐ歩きテスト”に見事に落第、御用。場所はウエストLA、午前1時過ぎの出来事といいますから、バーの帰り道の可能性が高いですが、さすがのスーパー・エージェントも実生活ではただのオヤジなのがバレてしまった格好でした(笑)。

血中アルコール濃度制限(0.08%)を超えていたのはもちろんのこと、かなりの泥酔だったようです。2万5千ドルの保釈金を積んで明け方4時ごろ釈放になったそうですが、出廷、交通スクール(保険金高騰を防ぐ手段。多分セレブは行かないと思いますが……)、メディアによるバッシングと、DUI(Driving Under the Influence(酒やドラッグの影響下で運転した罪)の代償は大きかったことを覚えています。

ちなみに、カリフォルニア州ではDUIは交通違反ではなく犯罪です。車だけでなく、バイク、ボート、飛行機、そして、馬などに乗っている時にも適用されます。

飲酒運転の恐怖

日本でも、往年のGS王子「ショーケン」こと萩原健一が深夜の高速でスピード違反で逮捕された際には、新聞やニュースでバッシングされましたね。飲酒運転が厳しい処罰(罰金50万円、同乗者、酒を飲ませた店主も罰金刑)にさらされる日本では、「飲酒運転はしない」という意識の人が多いのに比べて、平気で飲酒運転で帰宅するアメリカの風潮は、ふと考えてみると恐ろしい限りです。

自分も含め、レストランでの食事や飲み会後、「見つからなければOK」のスタンスで運転する人はアメリカには大勢いると思います。飲酒後は、反射神経が鈍り、気が大きくなるだけでなく、信号やネオンが綺麗に見えるようになるほどに気分が高揚し、知らないうちに蛇行運転、スピード違反、信号無視などを安易に犯してしまいます。血中でアルコールが廻っているときは、百害あって一利なしなんですね。

数年前、飲んだ後にバイクで帰宅した友人がローレル・キャニオンで事故死したことがありました。数ヶ月間、あの晩何も考えずに別れた自分への罪悪感と、昨日まで笑っていた奴が今日は居ない寂しい現実とに悩まされた日々が続きました。

それ以来、「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな」を実践し、酔った友人にも運転をさせない努力を心がけています。でも車社会LAでは、なかなか難しい感もあります。

友情の証

そこへいくと、日本の代行業者はありがたいですね。車で飲みに行っても、自車を運転してくれるドライバーを引き連れて迎えに来てくれるのですから。東京ではあまり見かけませんが、地方都市の盛り場には代行車両がウロウロしています。逆に言えば、それだけ日本は泥酔するまで飲む御仁が多いということなのかもしれません。

カリフォルニアでは、高速道路から見える大きなビルボード(看板)に「Friends don’t let friends drive drunk.(本当の友達は、酔っている友人に運転させない)」というスローガンがうたわれていますが、「自分は大丈夫」、「みんなしてるから」という理由でハンドルを握るホロ酔いドライバーが大勢いることも確かです。

でも、交通事故で身近な人を亡くした人間にとって、「あのとき、運転させなければよかった……」という悔いの念は、結構重たい十字架です。口論になることさえ辞さずに、その人にきちんと伝えるのが本当の思いやりであり、本物の友情なのかもしれません。

このスローガンは、飲酒運転だけでなく、夢に関しても同じことが言える気がします。

「Friends don’t let friends give up their dream.(本当の友達は、友人に夢を諦めさせない)」

 

 

 

 

マックス桐島

人物紹介写真

ハリウッド映画プロデューサー
神奈川県出身。
ハリウッドで1990年以来、『Night of the Warrior (邦題「ナイト・ウォリアー」)』『Ulterior Motives (邦題「隠された動機」)』『Samurai Cowboy (邦題「ワイルド・ハート/遙かなる荒野へ」)』など13作品をプロデュース。また手掛けた作品は2001年度アカプルコ国際映画祭最優秀作品賞。2002年度ニューヨーク・インディペンデント映画ビデオ映画祭最優秀スリラー作品賞、主演男優賞などを受賞。著書に『NYビジネスマンはみんな日本人のマネをしている』(講談社プラスアルファ新書)など多数。
http://www.amazon.co.jp/-/e/B004LRJOSM

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