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仕事

賃金or評価

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 高給を受け取ることができるが、周りから虐げられる仕事と、給料は低いが誰からも尊敬される仕事、あなたならどちらを選びますか?

 1日だけならば、前者を選ぶ人もいることでしょう。でも、ずっととなると、いかがですか?

人は見返りがなくても頼み次第で依頼に応じる

 腕一本で億万長者にまでなったパーシー・ロスは、人間は何か見返りとして受け取らない限り、めったに何かを与えることはない、と認めています。しかし彼は、人間はたとえ金銭的にほとんど報いられなくとも、頼まれて自分が悪い気がしないようなときは頼みに応じるものだ、とも指摘しているのです。

 たとえば、ジョン・スタインベックは、メキシコでの彼独自の値切り方を『手紙が語る人生』で紹介しています。

 「ものを値引きさせるときのやり方は、織り方の粗悪さや、冴えない色にあきれてみせるのが普通だ。しかし、私の方法はその逆だ」
 「私はこう言う。『この15ペソのサラペはあまりにも美しい。美しすぎて金で価値を測ることなどできやしない。そもそも、どんな値段をつけても及ばないくらいだ』――」
  すでに店の主人は涙を流しそうになっている。
 「『だが、私は貧しい男でね、もしきみが10ペソを受け取ってくれるなら、もちろん代金としてではなく、尊敬のしるしとしてだが、そうしたらこれを持って帰って、一生大切にするんだが』――。この方法は主人ばかりか市場の群衆にも熱狂的に歓迎されて、一言の反対もなく、私は10ペソでそれを手に入れた」

 ロスは、このスタインベックの話から、自分が評価され、偉くなったような気にさせられると、人は普段やらないようなこともやってしまうことが多い、と考えています。

人は評価されることを望む

 ロスは、もう一つ、自身のコラムの中で、逸話を紹介しています。ウィット・ギブソンというコピーライターの書いた広告の話です。
 以下は、ロスの文章です。

 ギブソンはあるとき、次のような広告を地方紙に載せた。
 「求む:掃除人。週1回。交通費自弁。給与高額」
 しかし、電話をかけてくるものは一人もいなかった。そこでギブソンは、コピーライターとしての腕をふるって、違うアプローチをしてみることにした。
 「求む:ハウスキーパー。週に一度、田舎の家を完全に一任。あなた自身がボス。決定を下すのはあなた自身。あなた自身の車を使用」

 その日の午後7時までに9人から電話があった。それはなぜだろう? 
 注意すべき点は、1回目の広告では「高額の給与」を約束していたのに、2回目の広告では金のことに触れてもいないということだ。
 こうした例を見ると、人間は高く評価されたり、偉くなったように感じたいのだ。そして、こうした感情を他の人の心に生み出すような何かを毎日言ったりしたりするのは良い習慣である、ということを思い出すのである。

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